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実家じまいの手順。何から始めて、誰に何を聞けばいいのか

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一本の小道が丘の手前で4つに分かれ、その分かれ目に家族3人の後ろ姿が立っている絵。「実家じまいの手順」の題名と、家族を指す「家族で決めること」の札

実家じまいは、片付けより先に「家族の誰と、何を決めるか」をそろえるところから始まります。国土交通省の空き家の案内に、そう書かれていました。

とはいえ、そう言われても、親の家を前にするとどこから手をつけていいか迷いますよね。ある片付けの会社のブログ(2025年8月)にも「どこから手をつければいいのか分からない…」という言葉が最初に書かれていて、同じことで迷うのは私だけではないんだなと感じました。

しかも、同じ案内によると、そのあとどうするかの答えは家ごとに変わります。住む人がいるか、家がどれくらい傷んでいるかで、選ぶ方針が違ってくることがあるからです。

この記事では、実家じまいを決める順番と、売る・貸す・壊す・残すのそれぞれで誰に何を聞けばいいかをまとめました。読み終えるころには、家族と何から話せばいいかが分かるように書いています。

私は実家じまいをすると決めたばかりで、何から手をつけるかを順に調べているところです。国の案内や会社の料金表、体験談など、合わせて12件を2026年10月に読んで、分かった順番をそのまま書いておきます。

実家じまいは、何から手をつければいいのか

先に、全体の流れを1枚で見ておきます。さきほどの国の案内を並べ直すと、実家じまいはおおよそ次の4つの段階で進んでいくんです。

実家じまいの全体の流れを上から順に4つ並べた図。1 決める人をそろえる(家族の誰と決めるか)、2 名義と家の中のものを確かめる、3 どうするかを選ぶ(売る・貸す・壊す・残す)、4 それぞれの聞く相手に当たる。1に「ここから」の印

この順番を分かりやすく書いていたのは、国土交通省の空き家対策の特設サイトでした。空き家ができるきっかけは半分以上が相続で、親が住まなくなった家の方針を決めないまま相続すると、そのまま空き家になってしまうことが珍しくないそうです。

つまり、家の中を片付けるより、家をこの先どうするかという方針のほうが先に来るわけです。

ただ、気持ちとしては手を動かすほうが楽なんですよね。冒頭のブログにあった片付けの会社のアンケートでも、「とにかく物が多すぎる」という声が上に挙がっていました。

方針が決まらないまま作業から入ると、どこまで片付ければいいのか見当がつかず、途中で止まりやすくなると私は考えています。

では、その「家族で決めること」とは、具体的に何なのでしょうか。

家族の誰と、何を決めておけばいいのか

国土交通省の特設サイトには、実家の将来について家族と早めに話し合い、「誰が住むのか」「解体するのか」「売るのか」「貸すのか」を事前に話しておくことが大切だと書かれています。

これを手がかりに、私なりに家族でそろえておくと進めやすいことを4つにまとめてみました。

家族で先にそろえておく4つを2列に並べた図。1 この家に住む人はいるか、2 売る・貸す・壊す・残すの、おおよその見当、3 お金と手間を誰がどう受け持つか、4 会社や窓口からの連絡を受ける人を一人決める

1つめと2つめは国の案内にあるとおりで、3つめと4つめは私の見立てです。お金と手間の受け持ちが決まっていると、あとでどうするかを選ぶときに話が早くなりそうです。それに、連絡を受ける人が一人に決まっていれば、届いた話を家族に回す流れもすっきりしそうです。

とはいえ、4つ全部を一度に決めるのは難しいですよね。さきほどのアンケートでも、「きょうだいとの意見の食い違い」が大変だったこととして挙がっていました。

なので、最初は答えを出すことより、誰と、どの順で話すかだけをそろえておくくらいから始めても、話は動き出しそうです。決まっていないことがあっても、次の段階に進んでかまわない、というのが私の考えです。

決める前に確かめておくのは、「名義」と「家の中のもの」

1つめは名義、つまり土地や家の持ち主の記録(登記)がいま誰になっているかです。法務省の案内によると2024年4月から、相続で土地や家を受け継いだ人は、それを知った日から3年以内に名義を書き換える申請をすることになりました。

国の空き家の案内でも、名義が古い人のままになっていて手続きが込み入ることがあるので、先に確かめて整理しておくことが大事だとされています。なので名義は、売るか貸すかを決めるより前に確かめて整理しておきたいところです。

2つめは家の中のものです。同じ空き家の案内には、残すにしても手放すにしても、家の中のものが整理されていないと話は先に進まない、と書かれていました。

ここは気持ちの面でも重いところで、体験談を2つ読むとどちらにも手放すことへの迷いが出てきます。ある個人の体験記(2024年3月)には「何も欲しいものはないのに、そこにあるモノをどう手放していいのか分からない」という一文があり、さきほどのアンケートでも「思い出の品が捨てられない」という声が挙がっていました。

だからといって、ここで全部を片付けきらなくても、話は先へ進めそうです。どれを選んでも家の中のことが関わってくると分かっていれば、方針を決めるときにそれを勘定に入れておけます。

売る・貸す・壊す・残す。どれにするかは何で決まるのか

何で決まるかは家ごとに違いますが、国の案内にある考え方をもとに私なりに並べ直すと、次の3つの順に見ていくと整理しやすくなりそうです。

見るところこうなら考えやすい方針
① 家族に、この家に住む人はいるかいる残す(手を入れて住む・建て替えて住む)
いない②へ
② 家の傷みはどれくらいか古くて傷みが大きい壊すことも入れて考える(壊してから売る・土地を使う)
手を入れれば使えそう売る・貸すを考えやすい
③ 誰かが使いたがりそうな場所か使いたい人がいそう売る・貸す・土地を活用する
見当がつかない1つに決めず、いくつかの案を見比べる

どれにするかを3つの順に見る図。1 家族に、この家に住む人はいるか(いる:残す。手を入れて住む・建て替えて住む/いない:2へ)、2 家の傷みはどれくらいか(古くて傷みが大きい:壊すことも入れて考える/手を入れれば使えそう:売る・貸すを考えやすい)、3 誰かが使いたがりそうな場所か(使いたい人がいそう:売る・貸す・土地を活用する/見当がつかない:1つに決めず、いくつかの案を見比べる)

表の上から順に見て、当てはまる行で候補が絞れていく、という読み方です。②については国土交通省の特設サイトにも、古くなった家はそのまま売ったり貸したりするのが難しいことが多いので、解体も考えに入れるように、とありました。

とはいえ実際には、③の「見当がつかない」に当てはまって、決めきれない家もありそうです。うちの実家はどうするのがいいのか、売れるのか、貸せるのか、それとも壊したほうがいいのか。ここで手が止まるなら、どれにするか決めないまま何社かに案を出してもらい、見比べる方法もあると紹介ページにありました。

ただ、案をもらう前に、どれを選んだら誰に何を聞けばいいのかも知っておくと、届いた話を受けとめやすくなりそうです。

売る・貸す・壊す・残す、それぞれ誰に何を聞けばいいのか

調べていてほっとしたのは、国の案内を読むうちに、売る・貸す・壊す・残すのどれを選んでも聞く相手がいて、全部を一人で調べきらなくていいと分かったことでした。聞きたいことごとに、まず聞く相手を並べるとこうなります。

聞きたいことまず聞く相手
名義(持ち主の記録)の書き換え法務局(予約制の手続きの案内)、司法書士
税金(売ったときの特例など)税務署、税理士
売る・貸す不動産会社
壊す・解体の補助金市区町村の空き家の窓口、解体の会社(費用の見積もり)
家の中の片付け遺品整理や片付けの会社
どれにするか迷っている市区町村の空き家の窓口、不動産の専門家

名義の相談先は、法務省の相続登記の案内に、お近くの法務局か司法書士に、とはっきり書かれていました。

迷っているときの窓口は、国の空き家の案内どおりです。解体や改修に補助金が使える場合もあるので、まずは市区町村のホームページか窓口で、と書かれていました。壊す費用そのものは、解体の会社に見積もりを頼んで確かめる形になりそうです。

お金の目安も、2つだけ載せておきます。

遺品整理の会社の料金表を2件見たところ、3〜4LDKの一軒家の片付けは15万〜85万円ほどでした。

解体の会社と見積もりの仲立ちサイトの料金表を3件見ると、木造30坪の家を壊すのは90万〜150万円ほどです。

もうひとつ、売ることを考えるなら、相続した空き家を売ったときの税の特例には、売る時期の期限があると国の税の案内にありました。使えるかどうかは家ごとに条件が違うので、税務署か税理士に「相続した空き家の特例」と伝えて聞くのが早いです。

費用や片付けも含めた詳しい話は、それぞれの記事にまとめています。

うちの実家はどうすればいいか、決めきれないときは

さきほどの表の「見当がつかない」の行で決めきれなかった人に向けて、何社かから案をもらう方法をもう一度見ておきます。

タウンライフ空き家解決の診断の紹介ページには「その空き家、住む?売る? 考えの整理ができる」とあって、住むか売るかが決まる前の段階でも使えるように書かれています。

届いた案を手元に置いておくと、さきほどの「家族で決める4つ」の話し合いも進めやすいです。

診断を頼むと何が届くか、申し込みで何を聞かれるかは、別の記事にまとめています。

一方で、頼む会社がもう決まっている人には、このサービスは合いません。その会社に直接聞いたほうが話は早そうです。

実家じまいは、一度に全部を決めることではありません。国の案内をもとにまとめると、家族で決める人をそろえて、名義と家の中のものを確かめて、売る・貸す・壊す・残すから選び、それぞれの聞く相手に当たるという順番です。迷っているのは決められないからではなく、順番をまだ知らなかっただけだと思います。

まずはこの4つの段階のうち最初の、誰と話すかをそろえるところからでも話は動き出しそうです。どうするかがまだ決まらないときは、紹介ページにあったとおり案を見比べながら考えを整理するところから始めることもできます。