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空き家の売却査定を何社かに頼むと何が届く? 値段が会社で違うわけと、査定書の見方

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3通の封筒が並び、それぞれの上に高さの違う棒が立っている絵。右の封筒から出ている紙を「根拠」の札が指している。「空き家の売却査定、何社かに頼むと」の題名と「値段が会社で違うわけと、査定書の見方」の文字

空き家の売却査定(売れそうな値段を不動産会社に見てもらうこと)を何社かにまとめて頼むと、各社から売却査定書が無料で届き、値段を見比べられます。

ただ、紹介ページにも「査定額基準は企業によって異なります」とあるとおり、届く値段には会社ごとにばらつきが出ることがあります。

この記事では、値段が会社で違うわけ、届いた査定書で見る所、査定がそろってから決めるまでを順にまとめました。届いた値段のどこを比べればいいかは、表にして載せています。

実家じまいを決めたばかりの私は、いま要ることを順に調べていて、査定の仕組みもその一つです。読んだのは2026年10月で、売却査定の紹介ページと業界団体の案内、不動産会社や一括査定サイトの解説、体験談の合わせて11件です。

売却査定を頼むと、何が届くのか

業界団体の案内では、査定は、不動産会社が値段についての意見を出すために行うもの、と説明されています。

タウンライフ空き家解決の売却査定の紹介ページには、空き家ごとの売却査定書がもらえると書かれています。加盟している空き家を扱う会社は550社(2026年10月時点)で、仲介の会社も買取の会社も入っているそうです。

同じページの説明では、仲介は買い手を広く探してもらう売り方で、買取は不動産会社が自分で買い取る売り方です。何社かにまとめて頼んで、その結果を比べられる作りになっています。

では、何社くらいに頼めばいいのか。空き家の査定を解説するある不動産サイトでは、空き家は相場がつかみにくいので、少なくとも2〜3社に頼んで比べると安心だとしています。

それに、査定書の中身も気になりますよね。一括査定を紹介するある解説ページ(2026年9月)によると、査定の結果には値段とその根拠(近くで売れた例など)、売り方の提案が入るのが一般的だそうです。

業界団体の案内でも、査定の値段は売り出す値段を決めるときのもとになるもの、と説明されています。

ただ、その値段で本当に売れるのかというところで、引っかかってしまいますよね。

査定の値段で、そのまま売れるのか

査定を頼む前の気持ちを書いた体験談(2025年8月)には、「査定額は本当に信用できるの?」という言葉がありました。

その答えになるのが、不動産の業界団体の案内です。値段は3つに分けて説明されていました。

まず不動産会社が査定の値段を出し、それと売り主の希望をふまえて売り主が売り出しの値段を決めます。そのあと買い手が現れたら条件を話し合い、最終的な値段はそこで決まる、という流れです。

3つの値段を順に並べた図。査定の値段は不動産会社が出し、売り出しの値段は売り主が決め、売れた値段は買い手と話し合って決まる

つまり、査定の値段は「この値段で売れます」という約束ではなく、売り出す値段を決めるための見込みなんです。

しかも同じ案内によると、不動産は同じ地域でも土地や家ごとに条件が違うので、値段を決めにくいものだそうです。

それに、空き家の査定を解説するある不動産サイトには、会社ごとに得意な地域や売った実績が違うので査定の値段にばらつきが出ることがある、とありました。

値段が会社で違うと分かると、次に気になるのは頼んだらその会社に売ることになるのか、だと思います。

査定を頼んだら、その会社に売ることになるのか

買取を扱う不動産会社の解説(2026年9月)には、査定を頼んだだけで売る義務が生じるわけではなく、納得できなければ売らないと決めることもできるとあります。

業界団体の案内でも、机上の査定(家を見ずに近くの取引の例などで出す査定)は、売るかどうかを考え始めたころに使われるものとされています。相場や会社の対応をつかむためのもの、という位置づけです。

なので、売ると決める前に頼んでもかまわないわけです。

でも、何社も選ぶとそのぶん連絡が重なりそうで、落ち着かない気持ちも残りますよね。

何社に頼むかを選ぶときに、選んだ数だけやり取りが増えると見込んでおくと、慌てずに済みます。家族のうち一人が連絡の受け手になっておくと、話を進めやすいです。

査定の断り方を解説するページ(2022年3月)には、査定のあとに断るのは問題なく、伝えるなら早めに正直な理由で、とありました。ほかの会社に頼むことにした、事情が変わって売るのをやめた、と理由をそのまま伝えればよいそうです。

しかも同じページには、一度断った会社とも、売るときにまたお世話になることがあると書かれていました。だからこそ、ていねいに早めに伝えておくほうがよい、という話です。

遠方の空き家もそのまま相談できます(公式の案内)

申し込むと、どんな順で進むのか

紹介ページには、査定までの手順が3つ書かれています。空き家の情報を入れ、計画の内容を書き、頼みたい会社を選ぶ、という順です。

申し込みの画面では、まず家の種別から聞かれます。

上に紹介ページの3つの手順(1 空き家の情報を入れる、2 計画の内容を書く、3 頼みたい会社を選ぶ)、下にその先の一般の売り方の流れ(業界団体の案内)として、机上の査定の結果を比べてから訪問の査定を頼む会社を絞る順を示した図

申し込んだあとの進み方は紹介ページには書かれていないので、業界団体の案内にある一般の売り方の流れを書いておきます。訪問の査定(担当者が家を見に来る査定)の前に、机上の査定を頼んで、値段や各社の対応を比べる順です。

訪問の査定では、土地の形や前の道、建物の傷み具合まで細かく確かめるそうです。そのため、家を買ったときの書類やリフォームの書類があれば用意しておくように、と同じ案内にあります。

ただ、空き家の査定を解説するページによると、机上の査定は家を直接見ないぶん古さや部屋の傷みが値段に出にくいとのことです。長く人が住んでいない家なら、雨漏りやシロアリの被害を見落とさないよう訪問の査定で確かめてもらうほうが値段を出しやすい、と同じページにあります。

もうひとつ、そのページには、相続したままの空き家は持ち主の記録(登記)が亡くなった人の名前のままのことが珍しくない、とも書かれていました。売るときに慌てないよう、名義がいまどうなっていて書き換えられるかどうかは、早めに確かめておくとよいとのことです。権利証や土地と建物の記録の写し、間取りの図などをそろえておくと、そのあとが進めやすいとも書かれていました。

法務省の案内が挙げている相談先は、法務局か司法書士です。名義の確かめ方は、家族で先に決めておくことと一緒に、実家じまいの順番の記事で触れています。

遠方の空き家もそのまま相談できます(公式の案内)

届いた査定書は、どこを見ればいいのか

査定の断り方を解説するページ(2022年3月)には、高い査定額が正しいとは限らない、という見出しがありました。買取の解説(2026年9月)にも、最初に高い値段を出されても、家を見たあとで値段が変わることはあると書かれています。

業界団体の案内によると、不動産会社は値段について意見を言うとき、その根拠を示すことになっています。ですから、値段と一緒に根拠を尋ねてかまいません。

それに、空き家の査定の解説でも、比べるときは値段だけでなく、その根拠や担当の人の対応も見るように勧めていました。

ここまでの話から、査定書で確かめたい所を5つ、表にしました。

査定書で見るところを5つ並べた図。1 値段の根拠、2 仲介の値段か買取の値段か、3 建物をどう見たか、4 机上か訪問か、5 差し引いて手元に残る額

見るところ確かめたいこと
① 値段の根拠近くで売れた例など、何をもとにした値段か
② 仲介か買取か買取は、会社が買ったあとの売り直しの費用を見込むので、仲介より低くなることがある
③ 建物をどう見たか戸建ては土地と建物を分けて値段を出すのが一般的。古い家は建物の値段がほとんどつかず、壊す費用の分だけ安くなりやすい
④ 机上か訪問か家を見ずに出した値段か、見たうえでの値段か
⑤ 手元に残る額仲介の手数料や解体の費用を差し引くと、いくら残るか

各社の査定書を、この5つで横に並べて読んでみるのはどうでしょう。

表の「建物をどう見たか」の行にある壊す費用の分だけ安くなりやすいという話は、古い家が建ったままの土地を解説するページ(2023年1月)にありました。古い家を残したまま売るか壊してから売るかは、不動産会社と相談して決めるよう、空き家の査定の解説にも書かれていました。解体の費用の幅は、実家じまいの費用の記事にまとめています。

査定を頼むのが合わない人は

依頼先の不動産会社をすでに決めているなら、何社も比べずにその一社に家を見てもらうほうが手早く済みます。

売るより、土地を貸したり建てたりすることを考えている人には、活用の案を何社かに頼む記事のほうが合っています。

売るか残すか、まだ決まっていない人は、空き家をどうするかの案を出してもらう記事から読むのも一つです。

どれにも当てはまらなければ、最後に、査定がそろったあとどう決めるかを見ておきます。

査定がそろったら、どう決めるか

業界団体の案内には、最後は不動産会社の意見を参考にしながら売り出しの値段を決め、自分が納得して取引することが大事だとあります。

決めることは、訪問の査定を頼む会社と、売り出すかどうかの2つに分けると進めやすいです。机上の結果を並べて訪問を頼む会社を絞り、訪問の値段がそろってから売り出すかどうかを話す、という順になります。

その話し合いには、査定書を家族で並べて見るのがよいと私は考えています。買取の解説にもあったとおり、値段に納得できなければ、売らないと決めることもできます。

それと、国税庁の案内を見ると、相続した空き家の売却には特例があり、使えるのは決まった期限までに売った場合です。税金の相談は、税務署か税理士にすると話が早いです。特例を使える条件と売る順番については、相続した実家を売るときの記事で扱っています。

親の家に値段がつくのを見るのは、少し複雑な気持ちになるものですよね。すぐに決まらなくても、届いた査定書を家族で実家をどうするかを話すときの材料にしてみるのはどうでしょう。