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親が元気なうちに始める実家じまい。親に聞いておくことと、そろえておく書類

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一軒の家と、机の上に開いたノートと書類の束が描かれ、矢印がノートを指している絵。「親が元気なうちに始める実家じまい」の題名と「親に聞いておくことと、そろえておく書類」の文字

親が元気なうちの実家じまいは、片付けや売ることより先に、この家をこれからどうしたいかを親に聞き、家の書類がどこにあるかを家族で分かるようにしておくところから始めると、あとの話が進めやすいです。

国土交通省が司法書士の団体などと作った「住まいのエンディングノート」も、元気なうちから住まいの将来を家族で話し合ってみませんか、と呼びかけています。

ただ、親の気持ちも家族の事情も家ごとに違うので、一度話しただけで答えが出るとはかぎりません。親が元気なのに家の話をしていいのか、そこから迷いますよね。

ここでは、家の話の始め方と、親に聞いておくこと、そろえておく家の書類、遺言や贈与のことを誰に聞けばいいかを順に書きました。次に親と会うとき、何を聞いて、何を一緒に見ればいいかが分かるようにしています。

この記事のために、2026年10月に国のノートと、法務局・法務省・国税庁・市区町村の案内、住まいの解説や体験談、片付けの会社の料金表、紹介ページを、合わせて12件読みました。

親が元気なうちに、家の話をしてもいいのか

元気な親に家のこれからを話すのは、縁起でもないと受け取られそうで言い出しにくいものです。ある住まいの情報サイトの解説にも、離れて住む親とそういう話をするのは気が重い、と書かれていました。

ある体験記(2024年7月)には、実家じまいを相談したとき、親がショックを受けたようだったとあります。もう一つの体験談には「親が元気なうちに、一緒に写真を見ながら、もっといろいろな話を聞いておけばよかったと思います。」と書かれていました。あとになってから、そう感じる人もいるんですね。

国土交通省の案内によると、住まいのエンディングノートは、家のことや、これからどうしてほしいかを書いて残しておけるノートです。元気なうちから住まいの将来を家族で話し合うきっかけにしてほしい、という目当てで作られています。

なので、家の話は何かを決めるためではなく、親にしか分からないことを親から聞いておくための話だと考えると、切り出しやすくなります。

では、最初のひと言はどう始めればいいのでしょうか。

家の話は、どう切り出せばいいのか

いきなり「この家、どうする?」と聞くと、何かを決めるよう迫っているように聞こえるかもしれません。それより「この家、これからどうしたい?」と、親の希望を聞く形から始めるほうが話しやすいと私は考えています。

一度で答えをもらおうとせず、会うたびに少しずつ何回かに分けて聞いていく形もあります。

国のノートを一緒に見ながら話す方法もあります。住まいのエンディングノートは家をお持ちの人に向けたものですが、親と子が一緒に住まいの将来を考えるきっかけづくりに使ってほしい、と書かれています。

親自身のことを書く欄には「わかるところまでで結構です」と添えてあります。

その場で答えが出ないときは、決める時期だけを家族でそろえておくのも一つの進め方です。

親が住まなくなってから家族で決めていく順番は、実家じまいの順番の記事にまとめています。

親に聞いておきたいことは、何か

親に聞いておきたいことは、次の4つに分けると整理しやすいです。

聞いておくこと中身の例
この家をこれからどうしたいか住み続けたいか、誰かに住んでほしいか、売ることや貸すことをどう思うか
家にまつわる約束ごと隣との境目、近所の人との申し合わせ、家の前の道路のこと
家の書類のありか名義が分かる書類、固定資産税の通知書、家を買ったときの書類
遺言を作っているか作っているかどうか、どこに置いてあるか

どれも住まいのエンディングノートの欄や案内に出てくることで、この表はそこから4つを選んで並べたものです。

ノートでは、家をこれからどうしたいかを、家族と相談しながら書いてみるよう勧めています。近所の人との申し合わせや、道路の権利が込み入っているかどうかを書く所もあります。

ただ、4つ全部を一度に聞かず、話しやすいものから聞いていく形もあります。

親に聞いておくこと4つの図。1 この家をこれからどうしたいか(住み続けたいか・誰かに住んでほしいか・売ることや貸すことをどう思うか)、2 家にまつわる約束ごと(隣との境目・近所の人との申し合わせ・家の前の道路のこと)、3 家の書類のありか(名義が分かる書類・固定資産税の通知書・家を買ったときの書類)、4 遺言を作っているか(作っているかどうか・どこに置いてあるか)

売ることや貸すこと、壊すことをどう比べるかは、別の記事にまとめています。

家の書類は、何をそろえておけばいいのか

家の書類と言われても、どこにしまってあるのかは、親に聞かないと分からないですよね。

国のノートには、まず登記事項証明書と、市区町村から届く固定資産税の納税通知書を確かめるよう書かれています。登記事項証明書は、土地や家の持ち主の記録の写しです。

知りたいこと書類どこに聞くか
土地や家の名義登記事項証明書法務局
親が持っている土地や家固定資産税の納税通知書市区町村

表のほかに、地番や面積を知る書類として、登記識別情報通知書や登記済証(権利証)も挙がっています。書き写すのが手間なら、取り寄せた書類をノートと一緒にしまっておくだけでも、あとで手続きをする人の助けになるそうです。しまった場所は、大切な人にだけ伝えておくよう書かれています。

家の書類と、どこに聞くかの図。土地や家の名義は登記事項証明書で、法務局。親が持っている土地や家は固定資産税の納税通知書で、市区町村

国の登記の案内では、登記事項証明書はオンラインで請求でき、郵送で届けてもらうこともできます。ある市の案内を見ると、固定資産税の納税通知書が届くのは毎年4月の初めです。届いたときに親と一緒に見るところから始めると早いです。

家の名義が亡くなった祖父母のままなら、国のQ&Aでは書き換えの相談先として法務局か司法書士が挙がっています。親が家を買ったときの書類がどこにあるかも、あわせて聞いておけると安心です。

相続したあとに売るとき、その書類がどう関わるかは、税の順番の記事にまとめています。

遺言や贈与のことは、誰に聞けばいいのか

遺言や贈与と聞くと、難しい話に思えて、何から聞けばいいか迷いますよね。決まりの中身まで分からなくても、誰に何を聞くかが分かっていれば話は進めやすいです。

住まいのエンディングノートでは、遺言を作っているかと、その置き場所を書く欄に、相談は近くの司法書士へ、と添えてあります。土地や建物の贈与も、司法書士に相談する例として挙がっています。

近くの司法書士は、日本司法書士会連合会の「しほサーチ」で、都道府県などから探せると案内されています。

贈与や相続の税のことは、国税庁が案内している税の相談窓口か税務署、または税理士に聞くと早いです。

なので、聞きに行くときはさきほどの家の書類と、親の希望を書きとめたメモを持っていくと話が早いです。

家の中の片付けは、いつから始めればいいのか

国のノートでも、家財の整理は先延ばしにせずにしておきたいことの一つに挙がっています。大事な家財と、その置き場所を書く欄もあります。

片付けは早めに始めたいところですが、家の中の物については、ある体験談に「親にとっては、自分が大切にしてきたものを勝手に手放されたくない。」とありました。

なので、物をどうするかは親が決め、子は残すか手放すかを一緒に確かめる役にまわると進めやすいです。

3〜4LDKの一軒家を業者に頼むと、遺品整理の会社の料金表2件では15万〜85万円ほどが目安になっています。頼み方や、額が変わるわけは、片付けの費用の記事にまとめています。

片付けと一緒に考えておきたいほかのお金は、実家じまいの費用の記事にまとめています。

うちは、どこから始めればいいか

ここまでのことを、全部いっぺんに進めるのは大変ですよね。

始める順は、親の希望を聞く、書類のありかと名義を確かめる、聞く相手が分かれるところはまとめて相談する、の3つに分けると考えやすいです。

始める順の図。1 親の希望を聞く、2 書類のありかと名義を確かめる、3 聞く相手が分かれるところは、まとめて相談する

さきほどのノートでは、相続による名義の書き換えや、土地や建物の贈与が司法書士に相談する例に挙がっていました。一方で税のことは、国税庁の案内にある相談窓口か税務署、または税理士と、聞く相手が分かれます。

それぞれの相手を家族で探すほかに、紹介ページの案内ではタウンライフ不動産相続を使うと、相続で税金や登記や売却が関わる話を対応する専門家へまとめて相談でき、問い合わせまでは無料で、専門家と個別に契約するときの報酬は別だそうです。同じページのよくある質問では、まだ相続前でも相談できるかという問いに「可能です。」と答えています。

申し込みの画面の上の絵には、売却査定書(売れそうな値段の書類)と相続税申告の見積書、相続の手続きの費用と相続登記の費用の見積書が並んでいます。ただ、鑑定評価などによる細かな算出ではないことと、内容や書式、対応できるかどうかは専門家によって異なることが添えてあります。

申し込みの画面では、最初に財産を受け取る側か渡す側かを選ぶので、親が申し込む形もとれます。そのあと建物の面積や築年数、名義人を聞かれ、所在地は都道府県と市区町村を選んで、それより先の住所だけを分かる範囲で入れる形です。

場所や広さ、築年数、名義人は、さきほどの書類で分かる範囲を手元にそろえておくと、答えやすいです。親が元気なうちに、売れそうな値段の査定や見積もりが手元にあれば、それを見ながら家族で家の話をしやすくなります。

親が施設に移るなどして家が空いたときの手続きは、別の記事にまとめています。

一度に全部を話し終えなくても、親の希望を一つ聞けたら次に何を確かめればいいかは見えてきやすいです。まずは次に会うとき、この家をこれからどうしたいかを聞いてみるのはどうでしょう。

もう頼む司法書士や税理士がいるなら、まずはその人に聞いてみるほうが話は早そうです。親がもう住んでおらず、家が空いて売るか残すかを決めかねている人には、空き家の解決策の診断の記事のほうが合っています。